日常は気付きの宝箱

徒然なるままに、書きたいことを書いています。将棋・読書・アニメなどなど。

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編5〜二手指し〜】

 

今回取り上げる反則は二手指しです。

前回はこちら。

kicktan.hatenablog.com

 

二手指しとはその文字のごとく、
相手の手番に自分が指すこと、後手なのに先に指すこと。

そんなことある?と思いますよね。

単純ですが、意外と実例はありました。

 

プロの実例。

shoginews.net

news.yahoo.co.jp

 

あえて編入試験組の記事を持ってきました。ドラマがあるものですね。

 

「読んでいたら次の手でなくその先の手を指してしまった」という話をよく聞きます。

王手放置編でも取り上げると思いますが、おそらく、実際の盤面と脳内将棋盤が被って見えているんでしょうね。

プロだからこその反則だと言えると思います。

 

マチュアではなかなか起こらないです。少なくとも私は遭遇したことがありません。

 

上記した今泉四段の記事には、このようなエピソードがあります。

指したと思ったら相手の時計が進んでいて、相手の手番だったから負けた。

 

あまりに集中していたんでしょうね。

 

でもこの事例、余計な心配をしてしまうんですよ。

例えば、相手が対局時計を押し忘れていた場合はどうでしょう?

kicktan.hatenablog.com

 

この記事でも言及しましたが、着手完了は駒から手を離れた時であり、対局時計を押した瞬間ではありません。

ので、対局時計の押し忘れはそのものは関係ないはずなのですが・・・

 

つまりこういうことです。


実際の手番は自分。相手が指した際に対局時計を押していなかったとします。

 

そこで自分が指した場合に「対局時計が押されていないから自分の手番だ」と相手が主張した場合どうなるでしょう?

もしくは、対局時計が押されていないから相手が自分の手番だと勘違いして指した場合はどうなるでしょう?

 

前者は相手の主張は無効、そのまま対局は続行。

後者は相手の二手指しにあたるため反則負け。

こうなると思います。

でも、それを客観的に証明できるでしょうか?

 

三者が見ていればわかりますが、そうもいかないですよね。
その直前の手がなんだったか指摘しても、指した指さないのトラブルになりかねません。

私だったらどうするか。

 

初手から再現します。

容赦無く二手指しであることを突き付けます。

 

ただ、なかなか現実的には難しいですよね。

緊迫した状況でとっさにできるとは限らないですし。

 

ただ、根本的に防ぐのは簡単です。

対局時計をチェックしておけばいいんです。

押してなかったら、押し忘れを指摘して押して貰えばいいんです。

 

これも、悪意ある反則を防ぐための知識です。

 

【二手指しに関するエピソード】

なぜこんなことを思ったかというと、

私は学生時代にできる限り時間を稼ぐべく

対局時計の押し忘れを指摘してませんでした。

 

相手が押してないのに気付いたら、考えるふりをしてなるべく相手の注意を盤面に向ける。

そのうち相手が気づくので、言われてみれば押してないですね、と気づかなかったふりをして進行する。

そんなことをしていました。
いかにも気付いてました、感だと心象も悪いのでこちらも少し時間を使ってから指すのですが。

 

ま、そこまでしても勝利が欲しかったわけです。

 

10回は押し忘れを経験してます。ただ、そのいずれも最初に述べたような二手指し疑惑にはなりませんでした。

 

ので杞憂だとは思うんですが。

 

集中をすればするほど、エアポケットが起こるもの。

その時に反則が生まれるわけです。

盤上にも、盤外にも意識を常に向けておきたいものですね。

 

 

 

アニメ「ゲッターロボアーク」に期待すること

情報に乗り遅れたことを少し後悔しています。

 

まずはこちらをご覧ください。

youtu.be

 

正直に言います。ワクワクしました。

 

私がゲッターロボと出会ったのはスーパーロボット大戦シリーズ(以下、スパロボ)で。マジンガーとともに名前だけは知っていましたが、細かい内容までは知らず。

しかも初めてプレイしたのがスパロボRだったので、最初に触れたゲッターがネオゲッターロボなんですよね(初代を見たのはもっとあとでした)


参戦作品の戦闘シーンなどをまとめられている動画などを見て、合体シーンにゾクゾクしました。

youtu.be

 

実際にアニメを見たのは「真!ゲッターロボ〜世界最後の日〜」だけです。
あとは全部スパロボの知識です。

 

さて。冒頭の動画ですが、2021年に「ゲッターロボアーク」がアニメ化されるという特報でした。

リアルタイムで見られるという事実に驚きと嬉しさを隠せません。

ただ、ゲッターシリーズはあまり詳しくないので大きなことは言えないのですが、ゲッターロボサーガの集大成になりそうな感を受けました。
今までのシリーズも出てくるといいなーと。


一方で、完結するのは寂しい感もあって。
石川賢作品は未完でなんぼみたいなところ、あるじゃないですか。

 

それでもここにきて映像化するということは、だいぶ物語を進めるつもりがあるということだと思うんですよ。


並行世界のゲッターロボが集結して戦う展開を予想して、完結間際で石川賢作品、もしくは永井豪作品(ダイナミックプロ作品)との繋がりが示されて終わり。

そんな感じのが見たいなぁ

 

合体シーンが激アツだったらなんでもいいんですけどね。

 

 

 

あまり内容のあるものになりませんでした。

少し勉強してきます。

ここ2年くらいスパロボしていないので忘れてる部分もあって、今回のPVもたまたまほんと久しぶりに男の子の血が騒ぎました。


ゲッターロボの歴史をまとめた動画が公式で上がっていて、わかりやすかったので紹介します。

 

youtu.be

youtu.be

 

 

 

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編4〜王手千日手〜】

将棋のルールを考察するこのシリーズ。

反則負け編も4回目に突入しました。
この記事が初めての人は、ぜひ最初からご覧ください。

kicktan.hatenablog.com

 

さて、今回取り上げるのは王手千日手です。

王手千日手

 

早速定義を調べてみました。
例によってwikipediaより。

千日手の手順において連続王手(一人の手順が全て王手である)の場合は王手を仕掛けている側が千日手の成立条件を満たした際に反則負けとなる

 

実戦で経験したことがある人は少ないと思います。練習将棋で該当の局面になって、それは王手連続だから負けだよ、って言われることはあるかもしれませんが。

さて、なぜこのようなルールが生まれたのか。
負けている方が王手連続の千日手で引き分けにしたらずるいから、だと思います。

調べてみました。

このような記事を見つけました。

bunshun.jp

 

ここの記述を引用します。

明治時代は千日手そのものが反則だった。どのような規則かというと「攻めているほうが手を変えなければいけない」。

〜中略〜

「攻めているほうが手を変えなければいけない」の名残が、連続王手の千日手は禁止となったのではないだろうか。王手ならば明らかに攻めていると判断しやすいからだ。

 

この説明が一番すっきりしました。
元々千日手が引き分けでなく反則であったのは、勝負から逃げているという感覚だったと推察されます。

ただそれだとどっちが逃げてるのかが分からなくて・・・だと思うのですが。
その続きは上記の記事をご覧ください。

 

さて。

大会等で王手千日手に遭遇したことはありません。プロの将棋でたびたび登場することもあったようですが、今回私がとりあげようとするのは少し違います。

 

プロの将棋で出てきた記事はこちら。

news.yahoo.co.jp

 

実戦の筋で出てくるのはほんと興奮ものです。 

いつか自分もこういう展開を指したいものですね。

 

 

 最後の審判

本題に参ります。

この名前でピンとくる人は多いと思います。そうです、詰将棋です。
何が最後の審判なのか、きちんと説明できるでしょうか。

 

参考記事(作者自身の解説です)

www2u.biglobe.ne.jp

 

参考動画

youtu.be

 

ここでは図面は取りあげませんが、以下のような問題です。

受け手が最善を尽くすと、攻め手側が王手千日手になってしまう。
ただ、その最後の受けた側の手が「歩を打った王手」なんですよ。

その歩を取ると王手千日手だから取れない。でも、取る以外の手が無い。

 

つまり、この歩打ちは打ち歩詰めである。

 

それがこの詰将棋の「主張」です。

打ち歩詰めになるから、歩を打てないために他の手を指し、詰み筋が生じるわけです。

詳しい手順などは上記の動画をみていただけるとわかりやすいかと思います。


これ、非常に興味深いテーマだと思いませんか?

 

以前取りあげた

kicktan.hatenablog.com

 

ここでの「歩を打って王手じゃ無いけど詰みの状態を打ち歩詰めと呼ぶのか」と同じく、ルールの不備?をついた問題です。

実戦では全く現れることの無い状況です。

それでも、実際に同じ状態になった時にどのような判定が下されるのか。

考えてみました。

 

1.王手千日手になるから攻め手の負け説

王手千日手がどこで勝敗の決定がなされているかを考えると「同一局面が4回成立した時」だと思うんですよ。(千日手と同様です)

なので、今回のケースでは最後の歩を取った瞬間に判定されるということです。
上記した受け手の歩を打った局面は歩を取ることが出来るため、詰みという状況には当たらないため打ち歩詰めでなく、攻め手としては取るか投了しか無い。
ので攻め手の負けであるという主張。

2.打ち歩詰めだから受け手の負け説

元々の主張ですね。つまり、例の歩を打った局面が「詰みである」という主張。

どう指しても負けだから、それは詰みであるということですね。

とすると、以前の検証と食い違いが生じると思っています。(以前の検証については上記した打ち歩詰め編をご覧ください)

将棋クエストにおいて自動終了されない状態を「詰みでは無いけど負けの局面」と私は認識しております。おそらくこれと同じ状態だと思うんですよ。

これも同じく「どう指しても負け」の局面なのですが、詰みでは無いわけです。

ので、打ち歩詰めには当たらないのでは無いか?

というのが私の主張です。


さて。

論より証拠。

 

早速検証してみました。

【検証方法】

将棋ウォーズアプリにて、最後の審判と同じ局面を作る。
手順通りに進めていって、アプリ内でどう判定されるかを検証する。

 

【検証結果】

画像で見せた方が早いと思います。

検証の結果は・・・

 

 

f:id:kicktan:20201113191336j:plain

最後の審判@将棋ウォーズ

 

なんと、先手の反則負けでした!

 

つまり、先ほどの仮説の

1.王手千日手になるから攻め手の負け説

で触れた、「勝敗の判定がその手を指した瞬間」が

将棋ウォーズでは採用されているということですね。

ちなみに、通常の王手千日手も最後の手を指した瞬間に負けの判定でした。

 

打ち歩詰めであるならば打てないはず(上記打ち歩詰め回を参照ください)なんですが、打つことが出来たので将棋ウォーズとしては打ち歩詰めではないということでしょう。

 

これはあくまで将棋ウォーズにおいての処理ですので、実際のルールもそうだと言うつもりはありません。
ただ今までどちらの説が正しいか、というのは不定であると認識していたので一つの結果を出せたことは満足しています。



以前の検証と同じく、非常に興味深い結果となりましたね。

いずれ検証系をまとめた記事を作ろうと思ってます。

 

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ほとんど最後の審判についての記事になってしまいました。
こういうルールに触れるような話題は大好きです。

それではまた次回。

 【追記】

最後の審判について、このような記事を見つけました。

note.com
私と同じような観点で見ているので、こちらの方がよりわかりやすいと思います。

 

次回、二手指し編はこちら。

kicktan.hatenablog.com

句読点の使い方

今日は少し学術的な話をしようと思います。

 

私は、変なところで日本語に気を使うので、誤用されている日本語が気になって仕方ないです。

 

例えば、

「幸先が悪い」

という表現。

 

テレビでもよく耳にしますよね。

私はこれ、誤用だと思っています。

幸が悪いって表現はないでしょう。



他にも、同い年のことを

「同級生」

と呼んだりしますよね。

 

同じ学校で、クラスメイトなのか?ってツッコミたくなります。

 

インタビューなどで、

「勇気を与えたい」

という人がいますよね。

何様だと。与えられる立場なのかと。

言う人によっては、ありかも知れませんが。

 

他にも・・・


やめときましょう。

私は変な日本語だと思っているのですが市民権を得ている表現が増えてますよね。

 

誤用が広まれば誤用でなくなる。
日本語は変わっていくという専門家の言葉があります。

ある程度は納得できるのですがどうにも理解できない表現が多々あるのです。
それを言う人が信頼できないとかそれぞれ指摘してマウントをとるとかそういうのではありません。
ただ自分はそのような日本語を使わないようにしよう。
そう思うだけです。

 

 

さて。ここまでの内容を読んでいただいた方は、そろそろタイトルの意味に気づいてくださっているでしょう。

あえて読点を多めに使った文章と、全く使わない文章を描いてみました。
どちらの方が読みやすかったでしょうか?

これまで10個ほど記事を書いてきましたが、読点が多いなと感じることが多々ありました。
気をつけてはいますがそれでも不自然に感じています。


上記二通り書いてみて、私は読点が少ない方が読みやすさを感じています。

一般的には読点があることで読みやすさを作っているものだと認識しているのですが、私が意識しすぎているのでしょうね。

 

今まではなんのことは無かったのですが、校正のため読み直すと「読点はここであっているのか?」「ここは一度句点をつけた方がいいのでは無いか?」

気になってしょうがないです。



ここまで書いてみて、やっぱり読点が無い方が読みやすいです。
なんというか「、」に幼さを感じているのかもしれません。

この感情をなんとか説明できれば私の理解が進むのですが・・・今の私ではここまでです。

 

同じような感覚の人いると思います。
ぜひコメントください。謎を解き明かしたいです。

 

 

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【番外編〜待った〜】

 

前回、

kicktan.hatenablog.com

 

の最後に紹介した私のエピソードを再掲します。

棋譜が取られるような公式戦。

2一に飛車を打って攻めようとしていたところ、打ったのはなんと金。

 

まだ手を離していませんでしたがそのまま続行しました。


なぜ打ち直さなかったのか?

優勢だったからだと思います。
ただ、(断言できないのが悔しいですが)自分が不利だったとしても、そのまま続行していたと思います。

 

ここには『待った』のルールが関係してくるわけです。

 

というわけで。

 

【番外編『待った』】

 

待ったは反則である。これは皆さんご存知だと思います。

では、その待ったの定義はなんでしょうか?

 

・将棋ソフトにおける待った

自分の手番で、前の手番まで戻ること

 

wikipediaの記述

囲碁将棋チェスで着手を直すことも「待った」といわれる場合もある。公式ルールでは即座に反則負けとなる。

囲碁の着手は盤上に置いた石から指が離れた瞬間、将棋の着手は動かした駒(または駒台から盤上に置いた駒)から指が離れた瞬間であり、以降はその手を直すことはできないが、指が離れない限りは手を直す(別の位置に置き直す)ことができる。チェスでは一度触った駒は必ず動す「タッチアンドムーブ」というルールになっており、一度触った駒を動かさずに別の駒を動かすことは反則負けとなる。

 

将棋講座ドットコム様の記述

指し手は、自分の駒を元にいたマスとは別のマスに置いて指が駒から離れた瞬間に着手完了となる。その際、再度駒に触れて元のマスに戻したり、さらに別のマスに移動させたりすると「待った」と見なされる。

 

サイトからは二つ持ってきたので信憑性はあるでしょう。

 

着手完了後にその手を変えること、それが待ったである。

着手完了とは、駒から指を離した瞬間。

チェスの場合は駒を持った瞬間、ということになりますね。

 

さて。
冒頭の私のケースはどうなのでしょうか。
私が飛車の代わりに金を打ったのに気づいたのは打った瞬間です。

ですので、上記した「着手完了」前です。

定義的には、まだ引っ込めて手を変えることもできます。
そのことは当時の私も承知でした。ただ、そのような勝負術は私の将棋道に反するので戻すようなことはせず続行した。
ルール上は問題ないけど、マナーとして、指し様としてNGである。ただそれだけです。

 

誤解されてしまうともったいないので補足しますが、相手が同じ状態で戻したとして、それを待っただと指摘するつもりはありません。

でも着手完了だということを知らずに、もしくは待ったを悪用しようとしていると判断した場合は容赦無く指摘します。

 

今どうなのかはわかりませんが、私が中高生の頃は着手完了後に駒をちょんちょんしている人をよく見かけました。
指した後にその駒を何回かクリックするイメージ、と言いましょうか。

 

これなんの儀式だと思います?

最終確認でちょんちょんして、違っていたらその駒を引っ込めて戻すんですよ。

 

さあ。ここまで読んでくださった皆様ならお気づきでしょう。

これ、立派な待ったです。

指、離れてますよね。

 

自信持って指摘してください。「それ、着手完了しているから待ったですよね」

その際はこのページ見せてもらっても構いません笑

 

なお、駒を整えているだけのこともあります。

ちょんちょんという行為自体が悪いというわけではありませんのであしからず。

 

同じように、「対局時計を押す」ことが着手完了であると理解している人もいるかもしれません。
それは大きな間違いです。あくまで対局時計を押すのは持ち時間のカウントであって、自分の手番が終わったという意思表示ではありません。

(参考:将棋のルールに関するご質問|よくある質問|日本将棋連盟

 

遊戯王でいうエンドフェイズとは違う、と言ったらわかりやすいでしょうか。

むしろわかりづらいか。

 

 

さてさて。
今回待ったについて調べるに当たって、興味深い記事を見つけました。

 

mozuyama.hatenadiary.org

araishogi.hatenablog.com

 

そういえばこんなこともあったな、という感じです。
後者の記事でほぼ言いたいことは言ってくれてるのですが、改めて考えていただきたいことは、


反則の指摘は当事者しかできない
投了優先

 

ということです。

kicktan.hatenablog.com

 

ルール編の最初にさらっと述べたことですが、一番大事なことだと思っています。

 

加藤九段の待った、藤井七段(当時)の待った疑惑。
いずれもマナー違反に当たるかもしれませんが、勝ち負けが変わるものではありません。後からの勝ち負けへの指摘は場違いであると言えます。

 

言いたいこと。


投了してから何を言っても結果は変わらないので、ずるい反則をきちんと指摘できるようになりましょう。

勝ちたい人も、ちゃんとした将棋を指したい人も、こういうルールもきちんと把握しておかないと恥を書くことになるかもしれません。

私の場合はどうやって勝つか、の一つとしてルールを覚えて逆用できないかと考えただけなんですが。

 

待ったの解釈は、プロ・アマで少し変わると思いますが、上記で概ね間違いないと考えています。
大会によっては厳密に着手完了を定義しているところもあるでしょうね。

そのようなところがありましたら、ぜひコメント等で教えてください。

 

【追記】

たまたま読んでいたヒカルの碁にて、ちょうどこの話題があったので共有します。

待った疑惑、その渦中にある二人(と佐為を含めた三人)の思考が見られます。

82局、83局です。その後の結末も含めてぜひ読んでみてください。
私はピッコマで読みました。無料で読めるのでどーぞ。

 

 

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編3〜行き所のない駒〜】

反則負け編の第3回は、行き所のない駒についてです

前回、前々回はこちら。

kicktan.hatenablog.com

kicktan.hatenablog.com


今回のは非常にわかりやすいと思います。

純粋に、行き場のない駒を動かす・打つのは反則であるということ。


二段目に桂馬

一段目に歩兵・香車・桂馬

を打つ・不成で進めることが禁じ手とされています。


なぜでしょうか。

動かせない駒を自ら作ることは美しくない、というのが元々の理由と予想します。
おかげで(特に詰将棋で)面白い展開になるのですが。

 

例によって。

調べてみました。

わかりませんでした。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

調べ方が悪かったのかもしれませんが、なぜこのルールが作られたのかを論じているのは知恵袋くらいでした。

 

一番納得が行くのは入玉時のゲーム性ですね。

小駒で合駒が出来てしまうとより簡単になってしまう。

 

チェスの場合、ポーンが一段目に到達するとプロモーションといって他の好きな駒になれるというルールがあります。

他に行き場がなくなる駒が無いので、それだけのルールでよかったのでしょう。

駒をひっくり返して金と同じ動きになる「成る」という将棋のルールとは全く違います。このあたりの違いもいずれ記事にまとめたいです。

閑話休題

 

【私のエピソード】

流石に経験はありませんが、未遂はありました。それを紹介します。

大学時代の公式戦、棋譜を取るような対局でした。

 

私の優勢で進んだ中盤戦。相手の攻めが途切れたところで、敵陣の2一に飛車を打って攻めようと思ってました。そこでの私の一手は・・・

 

▲2一金!

目を疑いました。飛車のつもりで打ったのが金だったわけですから。

打って、指を離そうとして気づいて血の気が引きました。
そのまま続行しなんとか勝ちになりましたが、これが他の駒だったら、歩や桂だったら・・・と戦慄したのを今でも忘れません。

この棋譜はしっかり残っています。おそらく記録員の記入ミスだと思われてるかもしれませんが、対局者のミスです笑

 

さて。上記の話を読んでこう思った人はいるのでは無いでしょうか。

「まだ手を離していないのであれば打ち直せばいいのでは」
私の答えはNOです。盤面で駒を動かしたところで着手は完了。そこからの変更は「待った」に当たると思っています。

この話題はプロでも一時話題になりました。

何をもって着手完了とするのか、待ったは誰が指摘するのか?誰が判断するのか?

プロだったら誰かしらが見ているから良いと思いますが、アマチュアでは当事者以外にはいない場合がほとんどです。
トラブルにならないように、自分の解釈はもっておいて損は無いと思います。

特に大会の幹事に関わるような人は必須ですよね。


というわけで、次回はこの問題を取り上げます。

kicktan.hatenablog.com

 

反則負け編の次はこちら。

kicktan.hatenablog.com

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編2〜打ち歩詰め〜】

前回の続きです。

kicktan.hatenablog.com

 

上記では二歩について取り上げました。
今回は打ち歩詰めについて取り上げます。

 

ある検証もしておりますので、ぜひ最後までお読みください。

 

反則負け一覧再掲。それぞれリンクを貼ってますので、ご確認ください。

 


打ち歩詰め

例によってwikipediaより引用します。

将棋において、持ち駒歩兵を打って相手の玉将詰みの状態にすること。

打ち歩詰め - Wikipedia

詰将棋でよくお目にかかるこのルール。回避する為に不成が生きてきたりするわけですが、なぜこのルールが出来たのでしょうか。

 

調べてみました。
関連する記事を見つけました(?)

blog.livedoor.jp

 

news.yahoo.co.jp

 

前者の記事はこのルールが出来た理由の考察、後者の記事は実戦で出てきた打ち歩詰めの紹介。

どちらも興味深いので読んでみてください。

前者の記事で述べられていますが、打ち歩詰めというルールが出来た明確な理由はわかっていないそうです。
私もそれ以上の情報は見つけられませんでした。

ルールとしては面白いんですけど、なぜこのルールを思いついたのか、本人に聞いてみたいです。

 

さて。

上記の人生0手の読みさんでも導入で触れられていましたが、

王手でない打ち歩詰め(?)は反則になるのか。

f:id:kicktan:20201111005034p:plain

打ち歩詰め??

このような局面(▲2二歩まで)です。

後手の手番ですが、動かせる駒は玉のみ。
どの手を指しても負けなので、「詰み」という理屈です。

打ち歩詰めとは歩を打って王手して詰ますこと、それが反則であるとずっと述べられています。


今回のケース。

最終手は歩を打っているので王手ではないが「打ち歩」「詰め」の状態ではないか、ということです。

 

滅多に遭遇するものではないです、いや一生に一度出会うかどうかでしょう。
それでも考えてみたいのが探求者。

 

私は反則であると考えています。

なぜか。

kicktan.hatenablog.com

 

この記事で最初に触れた、詰みの定義。

再掲します。

先手・後手どちらかの玉将(キング)が、完全に捕獲された状態を指す。

 

ここには、王手された状態とは書いていないですよね。

王手でなくとも、指す手がない場合は詰み。
私の考えはこれなので、

歩を打って詰ましたら打ち歩詰め。
相手の指す手が無くなったら詰み。


上記の局面は歩を打って詰みなので、打ち歩詰めとなり歩を打った方の負け。

 

そういうことです。

異論はあると思います。


なので、
論より証拠。検証してみました。



【検証内容】
使用アプリ:将棋ウォーズ、将棋クエスト、将棋倶楽部24
検証方法:友達対局にて、任意の局面を作る。

①通常の打ち歩詰めの局面

②上記した「歩を打って王手ではないが、動かす駒がない状態」の局面

(「打ち歩詰め?の局面」と定義します)

それぞれにおいて、どのような判定がなされるのか。

 


【検証結果】

将棋ウォーズ:歩を打つ場所が表示されない

将棋クエスト:将棋ウォーズと同様

将棋倶楽部24:チャット欄に「打ち歩詰めなので打てない」旨のメッセージが表示される(PC版、アプリ版どちらでも)

 

将棋ウォーズ:対局が終了する(打った側の勝ち)

将棋クエスト:手番が打たれた側に変わるものの、何も指すことは出来ず、投了するしかない(打った側の勝ち)

将棋倶楽部24(PC版):王手放置が取られるまで進めることができるため、手番を進めることができる

将棋倶楽部24(アプリ版):将棋クエストと同様

 

以上です。

 

非常に興味深い結果ですね。

この中で気になるのは将棋クエストの挙動。
将棋クエストも将棋ウォーズと同様に詰みであれば自動的に対局が終了します。
それなのにもかかわらず、手番が移ったと言うことはクエスト的には勝負はついていない判定ということ。
ここも少し検証の余地があるかもしれません。
アプリ側で勝負の判定をしているのはどういう状態なのか。


どのアプリにおいても、打ち歩詰めは正確に判定されているが打ち歩詰め?の局面は打った方の勝ちとされてるわけですね。

つまり私の説は否定されたということです。

 


打ち歩詰めの定義が

「歩を打って王手をした手で詰みになったら負け」

ということでしょう。

それとも、

「詰みではないけど動かすことが出来ないから打たれた側の負け」

ということなのでしょうか。

いずれにしても詰みの定義について考えさせられました。


今回の検証はこれで終わりです。
そのほかにも検証したことがありますので、それぞれの項目の際に取り上げますね。

あと、24のPC版は自由度が高かったので別途紹介します。

 

次回、行き所のない駒編はこちら。

kicktan.hatenablog.com