日常は気付きの宝箱

徒然なるままに、書きたいことを書いています。将棋・読書・アニメなどなど。

将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【番外編〜待った〜】

 

前回、

kicktan.hatenablog.com

 

の最後に紹介した私のエピソードを再掲します。

棋譜が取られるような公式戦。

2一に飛車を打って攻めようとしていたところ、打ったのはなんと金。

 

まだ手を離していませんでしたがそのまま続行しました。


なぜ打ち直さなかったのか?

優勢だったからだと思います。
ただ、(断言できないのが悔しいですが)自分が不利だったとしても、そのまま続行していたと思います。

 

ここには『待った』のルールが関係してくるわけです。

 

というわけで。

 

【番外編『待った』】

 

待ったは反則である。これは皆さんご存知だと思います。

では、その待ったの定義はなんでしょうか?

 

・将棋ソフトにおける待った

自分の手番で、前の手番まで戻ること

 

wikipediaの記述

囲碁将棋チェスで着手を直すことも「待った」といわれる場合もある。公式ルールでは即座に反則負けとなる。

囲碁の着手は盤上に置いた石から指が離れた瞬間、将棋の着手は動かした駒(または駒台から盤上に置いた駒)から指が離れた瞬間であり、以降はその手を直すことはできないが、指が離れない限りは手を直す(別の位置に置き直す)ことができる。チェスでは一度触った駒は必ず動す「タッチアンドムーブ」というルールになっており、一度触った駒を動かさずに別の駒を動かすことは反則負けとなる。

 

将棋講座ドットコム様の記述

指し手は、自分の駒を元にいたマスとは別のマスに置いて指が駒から離れた瞬間に着手完了となる。その際、再度駒に触れて元のマスに戻したり、さらに別のマスに移動させたりすると「待った」と見なされる。

 

サイトからは二つ持ってきたので信憑性はあるでしょう。

 

着手完了後にその手を変えること、それが待ったである。

着手完了とは、駒から指を離した瞬間。

チェスの場合は駒を持った瞬間、ということになりますね。

 

さて。
冒頭の私のケースはどうなのでしょうか。
私が飛車の代わりに金を打ったのに気づいたのは打った瞬間です。

ですので、上記した「着手完了」前です。

定義的には、まだ引っ込めて手を変えることもできます。
そのことは当時の私も承知でした。ただ、そのような勝負術は私の将棋道に反するので戻すようなことはせず続行した。
ルール上は問題ないけど、マナーとして、指し様としてNGである。ただそれだけです。

 

誤解されてしまうともったいないので補足しますが、相手が同じ状態で戻したとして、それを待っただと指摘するつもりはありません。

でも着手完了だということを知らずに、もしくは待ったを悪用しようとしていると判断した場合は容赦無く指摘します。

 

今どうなのかはわかりませんが、私が中高生の頃は着手完了後に駒をちょんちょんしている人をよく見かけました。
指した後にその駒を何回かクリックするイメージ、と言いましょうか。

 

これなんの儀式だと思います?

最終確認でちょんちょんして、違っていたらその駒を引っ込めて戻すんですよ。

 

さあ。ここまで読んでくださった皆様ならお気づきでしょう。

これ、立派な待ったです。

指、離れてますよね。

 

自信持って指摘してください。「それ、着手完了しているから待ったですよね」

その際はこのページ見せてもらっても構いません笑

 

なお、駒を整えているだけのこともあります。

ちょんちょんという行為自体が悪いというわけではありませんのであしからず。

 

同じように、「対局時計を押す」ことが着手完了であると理解している人もいるかもしれません。
それは大きな間違いです。あくまで対局時計を押すのは持ち時間のカウントであって、自分の手番が終わったという意思表示ではありません。

(参考:将棋のルールに関するご質問|よくある質問|日本将棋連盟

 

遊戯王でいうエンドフェイズとは違う、と言ったらわかりやすいでしょうか。

むしろわかりづらいか。

 

 

さてさて。
今回待ったについて調べるに当たって、興味深い記事を見つけました。

 

mozuyama.hatenadiary.org

araishogi.hatenablog.com

 

そういえばこんなこともあったな、という感じです。
後者の記事でほぼ言いたいことは言ってくれてるのですが、改めて考えていただきたいことは、


反則の指摘は当事者しかできない
投了優先

 

ということです。

kicktan.hatenablog.com

 

ルール編の最初にさらっと述べたことですが、一番大事なことだと思っています。

 

加藤九段の待った、藤井七段(当時)の待った疑惑。
いずれもマナー違反に当たるかもしれませんが、勝ち負けが変わるものではありません。後からの勝ち負けへの指摘は場違いであると言えます。

 

言いたいこと。


投了してから何を言っても結果は変わらないので、ずるい反則をきちんと指摘できるようになりましょう。

勝ちたい人も、ちゃんとした将棋を指したい人も、こういうルールもきちんと把握しておかないと恥を書くことになるかもしれません。

私の場合はどうやって勝つか、の一つとしてルールを覚えて逆用できないかと考えただけなんですが。

 

待ったの解釈は、プロ・アマで少し変わると思いますが、上記で概ね間違いないと考えています。
大会によっては厳密に着手完了を定義しているところもあるでしょうね。

そのようなところがありましたら、ぜひコメント等で教えてください。

 

【追記】

たまたま読んでいたヒカルの碁にて、ちょうどこの話題があったので共有します。

待った疑惑、その渦中にある二人(と佐為を含めた三人)の思考が見られます。

82局、83局です。その後の結末も含めてぜひ読んでみてください。
私はピッコマで読みました。無料で読めるのでどーぞ。