将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編3〜行き所のない駒〜】
反則負け編の第3回は、行き所のない駒についてです。
前回、前々回はこちら。
今回のは非常にわかりやすいと思います。
純粋に、行き場のない駒を動かす・打つのは反則であるということ。
二段目に桂馬
一段目に歩兵・香車・桂馬
を打つ・不成で進めることが禁じ手とされています。
なぜでしょうか。
動かせない駒を自ら作ることは美しくない、というのが元々の理由と予想します。
おかげで(特に詰将棋で)面白い展開になるのですが。
例によって。
調べてみました。
わかりませんでした。
調べ方が悪かったのかもしれませんが、なぜこのルールが作られたのかを論じているのは知恵袋くらいでした。
一番納得が行くのは入玉時のゲーム性ですね。
小駒で合駒が出来てしまうとより簡単になってしまう。
チェスの場合、ポーンが一段目に到達するとプロモーションといって他の好きな駒になれるというルールがあります。
他に行き場がなくなる駒が無いので、それだけのルールでよかったのでしょう。
駒をひっくり返して金と同じ動きになる「成る」という将棋のルールとは全く違います。このあたりの違いもいずれ記事にまとめたいです。
閑話休題。
【私のエピソード】
流石に経験はありませんが、未遂はありました。それを紹介します。
大学時代の公式戦、棋譜を取るような対局でした。
私の優勢で進んだ中盤戦。相手の攻めが途切れたところで、敵陣の2一に飛車を打って攻めようと思ってました。そこでの私の一手は・・・
▲2一金!
目を疑いました。飛車のつもりで打ったのが金だったわけですから。
打って、指を離そうとして気づいて血の気が引きました。
そのまま続行しなんとか勝ちになりましたが、これが他の駒だったら、歩や桂だったら・・・と戦慄したのを今でも忘れません。
この棋譜はしっかり残っています。おそらく記録員の記入ミスだと思われてるかもしれませんが、対局者のミスです笑
さて。上記の話を読んでこう思った人はいるのでは無いでしょうか。
「まだ手を離していないのであれば打ち直せばいいのでは」
私の答えはNOです。盤面で駒を動かしたところで着手は完了。そこからの変更は「待った」に当たると思っています。
この話題はプロでも一時話題になりました。
何をもって着手完了とするのか、待ったは誰が指摘するのか?誰が判断するのか?
プロだったら誰かしらが見ているから良いと思いますが、アマチュアでは当事者以外にはいない場合がほとんどです。
トラブルにならないように、自分の解釈はもっておいて損は無いと思います。
特に大会の幹事に関わるような人は必須ですよね。
というわけで、次回はこの問題を取り上げます。
反則負け編の次はこちら。