将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【反則負け編2〜打ち歩詰め〜】
前回の続きです。
上記では二歩について取り上げました。
今回は打ち歩詰めについて取り上げます。
ある検証もしておりますので、ぜひ最後までお読みください。
反則負け一覧再掲。それぞれリンクを貼ってますので、ご確認ください。
打ち歩詰め
例によってwikipediaより引用します。
詰将棋でよくお目にかかるこのルール。回避する為に不成が生きてきたりするわけですが、なぜこのルールが出来たのでしょうか。
調べてみました。
関連する記事を見つけました(?)
前者の記事はこのルールが出来た理由の考察、後者の記事は実戦で出てきた打ち歩詰めの紹介。
どちらも興味深いので読んでみてください。
前者の記事で述べられていますが、打ち歩詰めというルールが出来た明確な理由はわかっていないそうです。
私もそれ以上の情報は見つけられませんでした。
ルールとしては面白いんですけど、なぜこのルールを思いついたのか、本人に聞いてみたいです。
さて。
上記の人生0手の読みさんでも導入で触れられていましたが、
王手でない打ち歩詰め(?)は反則になるのか。
このような局面(▲2二歩まで)です。
後手の手番ですが、動かせる駒は玉のみ。
どの手を指しても負けなので、「詰み」という理屈です。
打ち歩詰めとは歩を打って王手して詰ますこと、それが反則であるとずっと述べられています。
今回のケース。
最終手は歩を打っているので王手ではないが「打ち歩」「詰め」の状態ではないか、ということです。
滅多に遭遇するものではないです、いや一生に一度出会うかどうかでしょう。
それでも考えてみたいのが探求者。
私は反則であると考えています。
なぜか。
この記事で最初に触れた、詰みの定義。
再掲します。
先手・後手どちらかの玉将(キング)が、完全に捕獲された状態を指す。
ここには、王手された状態とは書いていないですよね。
王手でなくとも、指す手がない場合は詰み。
私の考えはこれなので、
歩を打って詰ましたら打ち歩詰め。
相手の指す手が無くなったら詰み。
上記の局面は歩を打って詰みなので、打ち歩詰めとなり歩を打った方の負け。
そういうことです。
異論はあると思います。
なので、
論より証拠。検証してみました。
【検証内容】
使用アプリ:将棋ウォーズ、将棋クエスト、将棋倶楽部24
検証方法:友達対局にて、任意の局面を作る。
①通常の打ち歩詰めの局面
②上記した「歩を打って王手ではないが、動かす駒がない状態」の局面
(「打ち歩詰め?の局面」と定義します)
それぞれにおいて、どのような判定がなされるのか。
【検証結果】
①
将棋ウォーズ:歩を打つ場所が表示されない
将棋クエスト:将棋ウォーズと同様
将棋倶楽部24:チャット欄に「打ち歩詰めなので打てない」旨のメッセージが表示される(PC版、アプリ版どちらでも)
②
将棋ウォーズ:対局が終了する(打った側の勝ち)
将棋クエスト:手番が打たれた側に変わるものの、何も指すことは出来ず、投了するしかない(打った側の勝ち)
将棋倶楽部24(PC版):王手放置が取られるまで進めることができるため、手番を進めることができる
以上です。
非常に興味深い結果ですね。
この中で気になるのは将棋クエストの挙動。
将棋クエストも将棋ウォーズと同様に詰みであれば自動的に対局が終了します。
それなのにもかかわらず、手番が移ったと言うことはクエスト的には勝負はついていない判定ということ。
ここも少し検証の余地があるかもしれません。
アプリ側で勝負の判定をしているのはどういう状態なのか。
どのアプリにおいても、打ち歩詰めは正確に判定されているが打ち歩詰め?の局面は打った方の勝ちとされてるわけですね。
つまり私の説は否定されたということです。
打ち歩詰めの定義が
「歩を打って王手をした手で詰みになったら負け」
ということでしょう。
それとも、
「詰みではないけど動かすことが出来ないから打たれた側の負け」
ということなのでしょうか。
いずれにしても詰みの定義について考えさせられました。
今回の検証はこれで終わりです。
そのほかにも検証したことがありますので、それぞれの項目の際に取り上げますね。
あと、24のPC版は自由度が高かったので別途紹介します。
次回、行き所のない駒編はこちら。