将棋の勝ち負けの決まり方、知ってますか?【宣言勝ち編】
ルール考察のシリーズも中盤に差し掛かりました。
初回はこちらをご覧ください。
今回は宣言勝ちについて。
宣言勝ち
「宣言法」の方が馴染みがあるかもしれません。
入玉将棋において、あまり時間をかけないためのルールだと認識しています。
将棋連盟より。
プロ
2.両対局者の合意に至らない場合で、手数が500手に満たない場合は「入玉宣言法」を使用することができる。(※)
アマチュア
自分の玉が入玉している場合、条件が揃えば勝ちを宣言できるルールです。
(全国大会では採用する事が多い規定です)
概要としては以上です。
条件は、
条件(1)宣言側の玉が敵陣三段目以内に入っている。
条件(2)宣言側が大駒5点小駒1点の計算で先手の場合28点以上、後手の場合27点以上の持ち点がある。
ただし点数の対象となるのは玉を除く宣言側の持ち駒と、敵陣三段目以内に在する宣言側の駒のみである。
条件(3)宣言側の敵陣三段目以内の駒は玉を除いて10枚以上存在する。
条件(4)宣言側の持ち時間が残っている。(秒読み付の場合は時間切れになっていない事)
条件(5)宣言側の玉に王手がかかっていないこと。(詰めろ、必死等は関係ない)
ですね。
アマチュアの大会では採用されていない場合もあります。
このルールの最大の特徴は、
「宣言した際に条件が揃っていなければ負け」
というとこにあると思います。
宣言が無効になるわけでないので、宣言したタイミングで勝負が決まるわけです。
時計を止めてるので、その後続けるのはアンフェアということでしょうね。
私はこのルール、大好きです。
持将棋になると駒の取り合いになるじゃないですか。それ自体はいいんですが、悪い方が諦めないとほんと無駄な時間になります。
特に切れ負けの場合は、不毛な戦いになります。
そのときに、条件を満たしたら勝ち、宣言しても条件を読み間違えていると負け。痺れませんか?
切れ負けだとさらに時間との勝負にもなる。
すでに将棋ではなく勝負になっていると思いますが。
残念ながら、私はその経験がありません。見たこともない気がしますね。(あったとしても順当に勝っていたので記憶に残っていないのでしょう)
いつでも宣言負けを狙えるように、大会に出るたびに準備しているのですが・・・
特に条件2は見落としがちです。四段目以下は対象にならないので、条件3の三段目に10枚確保して安心して見落としてしまうのではないでしょうか。
知らないは罪だということです。
宣言勝ちの実戦例がないかと探していた際に、このような記事を見つけました。
ameblo.jp
ここで示されていた想定図、そうきたかー!と脱帽しました。
指せる手がないけど宣言すれば勝ち、という状態。
これは「指す代わりに」宣言することができるからですね。
ぜひご覧ください。